事業紹介 introduction

亜臨界水処理装置「ALIN」

ALINは廃棄物を有機肥料などの有機物に改質します

年間4億トン以上も排出される日本の産業廃棄物。
焼却・埋立といった旧来の処理では環境への影響が避けがたい昨今ですが、
これを高温・高圧な水蒸気を使って簡単な工程で再利用可能とする画期的な処理システムがALINです。
自然の生態系では役割を終えた有機物は微生物によってゆるやかに分解し、
その過程で生成したより低分子の有機物を糧として別の生物が成育しています。
この自然の分解過程を模範とし、ALINは燃やすことなく有機物を別の有機物に分解します。
つまり、廃棄されているような有機物が肥料や燃料として再利用できるようになるのです。
ALINによって、地球温暖化防止にも大きく寄与する有機物の循環型利用が実現します。

亜臨界水処理とその生成物の特徴

  • 投入物は分別の必要がなく、余計な手間がかかりません
  • 投入物を燃焼させないため、ダイオキシンなど有害物質を含むようなガスの排出がありません
  • 金属や土壌、シリコンなど無機物を含んでいるような廃棄物でも投入でき、処理後分別可能です
  • ボイラー技士を含む2~3名から操業可能です
  • 焼却処理よりもランニングコストは低廉です
  • 感染性廃棄物も、高温で処理するため生成物は完全に滅菌され、特別管理廃棄物の対象外となります
  • 処理後の生成物はより低分子の有機物で、様々な用途への再利用が可能です
  • 優れた有機液肥や有機堆肥、石炭の代替燃料、融雪剤など様々な利用価値を有します

亜臨界水とは?

臨界点よりもやや低い領域にある高温、高圧の水(液体)が亜臨界水です。
亜臨界水や超臨界水は無極性の有機化合物を溶解したり、加水分解したりする等、普通の水にはない性質を持っています。
超臨界水はステンレスをボロボロにしたり、タンパク質をアンモニアにまで分解したり、強力な反応を起こします。しかし、これでは反応が強すぎて扱い難いので温度を374℃以下、圧力を22MPa以下にした亜臨界水がいろいろな目的に利用されています。亜臨界水では酸化反応はほとんど起こらず、有機物はアミノ酸や脂肪酸などの分子まで分解しますが、二酸化炭素を発生させることはありません。